事業承継税制の活用

すごく久しぶりのブログ更新になってしまいました。

ちょっと思うところがありまして、これから事務所での日々の出来事を書いていこうかと思います。

 

昨日は税理士協同組合の研修に参加してきました。

内容は「25年度改正で使いやすくなった「事業承継税制」を活用して中小企業を元気にしよう!」というものです。

 

「事業承継税制」とは、事業を後継者に引き継いでいく際にネックとなる相続税・贈与税の負担を減免する制度です。

 

どういうことかといいますと、経営者が保有する自社の株式も相続税の対象となる資産となりますが、会社が成長して株価が上がると経営者が亡くなった時の相続税負担が大きくなります。

中小企業の自社株式は換金性に乏しいため、総財産に占める自社株の割合が高いと納税資金に困ることになってしまいます。

 

そこで平成21年度税制改正で「事業承継税制」が創設され、自社株に係る相続税の80%、贈与税の全額が猶予できるようになりました。

しかし、要件が厳しく手続きも煩雑であったため、利用があまり進んでいなかったんです。

特にネックになったのが雇用の8割を確保しなければならないという要件。要件に外れてしまうと、猶予されていた税金と利子税を納めることになるのでリスクも高かったんですね。

 

そこで平成25年度税制改正で抜本的な改正が行われ、使いやすくなりました。

  • 雇用の8割以上を「5年間毎年維持」 → 雇用の8割以上を「5年間平均」で評価
  • 後継者は親族以外でもOK
  • 制度の適用を受ける前に事前に経済産業大臣の「事前確認」が必要だったのが不要に
  • 贈与税の納税猶予の場合、現経営者は役員を退任しなくても残留可能に改正

 

納税猶予を受けられなくなった場合にかかる利子税率も2.1%から0.9%に下がりますから、そういう意味でもリスクが軽減されたと思います。

 

格段に使いやすくなったと思いますが、残るネックは「時間」ですね。

制度の適用を受けると最低でも10年くらい、場合によっては20年から30年近くも管理する必要があります。

税理士もそれだけの長期間関わるのは結構大変です。

 

とはいえ極めて効果が大きいこの制度、活用を考えていきたいです。

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